独奏箏と箏群のための
詩 (うた)
UTA
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作曲年
1983年
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委嘱者
沢井箏曲院創立5周年記念曲
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構 成
箏独奏・箏 I・II・III・十七弦 A・B
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時 間
11分
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出版楽譜
無し
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解 説
この曲を書く何ヶ月か前、私は石牟礼道子氏の「椿の海の記」という自伝形式の小説を読みました。読み進むにつれ、その文章のあまりの美しさに手放すことが出来ず、暫くは地方への旅にも必ず持ち歩いていました。その美しさは、第一章の始まりから、己に読む人の魂を、やさしさの限りをもって誘いだし、そして誘い出された魂は、そこに書かれた情景の中を、感動と、心地良さのうちに漂いはじめるのです。また、この本の終りに大岡信氏によって書かれた解説の文体も素晴らしく、本文に寄り添うようにそえられております。その中に次のような一節がありました。「─さながら一編の散文詩といっていい。しかし、ここにあるのは、生気にみちた写実的描写であって、それ以上でも、以下でもない。それがつまり「詩」の実質であった。」そして私はこの「詩」を“うた”とよんで、この曲のタイトル借用しました。1983年9月作曲。[作曲者]
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収録媒体
日本の音2 箏 (COCF-9382)
箏・沢井忠夫合奏団の世界 (COCF-15282)
沢井忠夫 書 「箏」