ゆれる秋
YURERU AKI
■
作曲年
1980年
■
委嘱者
和田泰子
■
構 成
箏独奏
■
時 間
9分
■
出版楽譜
無し
■
解 説
歌をともなった曲を、と依頼され、様々な詩に出会い、こみあげる感動に揺られながらも作曲に踏み切れずにいた或る日、京都の或るホールの楽屋でモニターから流れるこの詩に出会ったのです。そしてその時私の裡で鳴った箏の音で、この曲の最初の部分を構成しました。途中音楽的処理の為、あて読みをした部分が数個所あります。1979年10月作曲。[作曲者]
遠きもの
まづ揺れて
つぎつぎに
目に揺れて
揺れ来るものの
風なりと思ふ間もなし
我いよよ揺られはじめぬ。
風吹けば風吹くがまま
我はただ揺られ揺られつ、
揺られつつその風をまた
わがうしろ遥かにおくる。
吹く風に揺れそよぐもの
目に満ちて
翔る鳥
ただ一羽
弧は猫けど
揺れ揺れて
まだ空の中
吹く風の道に
驚きやまぬものあり
光、また暗みて
をりふし強く、急に強く
ひかり、また暗む
すべて秋、今は秋。
輝けど
そは遠し。
尾花吹く風。
北原白秋 作 “風”より
■
収録媒体
LP 沢井忠夫・箏の軌跡 (WB-7092〜96)
沢井忠夫 書 「箏」