独奏十七弦と箏群のための
焔 (ほむら)
HOMURA
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作曲年
1979年
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委嘱者
沢井一恵
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構 成
十七弦独奏・箏 I〜V
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時 間
16分
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出版楽譜
無し
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解 説
誕生以来、大合奏の片隅で低音の補充役を務めてきた十七弦も、ここ数年の内に室内楽的なアンサンブルへ、また独奏へと進出してきた。それに従って低音楽器としての音色をより充実させる為の楽器改良も進みつつある現在、少し前までの低い音がただ鳴っているというものから脱して、箏に準じた、否、或る意味からは箏以上の音楽的表現が十七弦に求められる時代が来ていると言えるのではないだろうか。勿論それは (音楽的表現をより深く追求するという点では) 奏者のうえにも同じ事がいえ、作曲家にもそれを求め、聴衆の理解と応援のもとに十七弦という楽器の可能性をもっと掘り下げていけると確信している。余談ではあるが、学生時代、男性ということで、いつも大合奏の隅の十七弦を弾かされながら「卒業したら絶対に十七弦など弾かないぞ!」と十七弦嫌いを誓った私も、最近、時には十七弦もさわってみたいという、心境の変化というか、最近の十七弦の魅力にひかれるというかそんな想いが私の裡に涌いてきます。箏群の騒めきの中に十七弦の生命がどのように溶け込み、どのように燃え上がるかを私自身確かめたい気持ちから附けたタイトルです。1979年作曲。[作曲者]
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収録媒体
LP 現代邦楽の世界・沢井一恵 (SJL-224)
沢井忠夫 書 「箏」